【第8話】理解不足のまま売買しないこと!ススム先生の「タイパ決算書分析」塾

カブオ君はどこを誤ったのか?

 

大切な視点ですね。せっかくですから、見直していきましょう。あおぞら銀行のサイトを見ると山ほど情報がありますが、さて、何が見やすいかな?
11月に開催された中間期決算説明会の資料を見てみましょうか?

 
 

ポイントとして「好調な実績」などと表現していますね。ストラクチャードファイナンスとかインターナショナルビジネスGとか難しいです。

 
 

決算説明でありながら見た人が難しいと感じるのは問題がありますね。投資家はプロだけじゃないんですから。

 
 

良いことしか書いていない気がします。すごく専門的な銀行だな、としか理解できません。

 
 

ここに一つ、ポイントがありますね。IR資料を見ても何をやっているのかわからない、そういう会社の株を買ってしまったのは間違いだったのでは?
買う前にIR資料などを見ましたか。

 
 

いえ、全然見ていないです。高配当の銀行株、プライム市場に上場しているから安心だというだけで買いました。「あおぞら」という社名も爽やかで明るそうだったので……

 
 

アナリストでないですから、「読み込んで分析しましょう」とは言いません。ただ、イメージで売買することに反省点がありそうですね。

 
 

でも先生、11月に発表した中間決算ハイライトでは連結粗利益進捗率52%、ビジネス利益進捗率82%、親会社株主純利益進捗率50%と3項目を目立つように表示しています。第二四半期配当は38円とこれも目立つように書いていて、従来の予想どおりだと誰も信じますよね。

 
 

あおぞら銀行としてはその時点の事実を公表し、2月1日もその時点の確率の高い見通しを公表した、ということです。
監査法人もしっかりしています。インサイダー規制の問題もあります。会社が「匂わす」ということはないので投資家が自分で見極めなくてはならないのです。

 
 

難しいわ。

 
 

難しいですよ。あおぞら銀行の米国商業用不動産ローン問題は、某月刊誌が昨年10月号で記事を載せていましたが、一般の人の目に触れるメディアではないですし読んだとしても信じるのは難しいでしょう。買わないという選択肢はあったかもしれませんが……。
それより、「なぜ、あおぞら銀行は高配当なのか」に入口があるかもしれません。メガバンクは、以前は高配当でしたが、足下は株価が上昇して配当利回りは2%~3%台となっています。なぜでしょう?

 
 

投資家が正当に評価をして買っている結果?

 
 

そうなんです。「効率的市場仮説を信奉しろ」とは言いませんが、多くの投資家が目を光らせているのが市場です。自分だけ得をするようなフリーランチはなかなかないのですよ。

 
 

ただ飯に釣られたのか……。情けない。

 
 

例えば、地方銀行の一部は高配当でPBRも低いですよね。地銀の業績は地域経済とリンクする傾向が強いため将来性に疑問があること、売買が薄くて流動性の問題点などがあると思うのですよ。何か弱点があるのです。でも、それは弱点でないかもしれない。そこに投資妙味がある。
ただ、高配当が悪いと言っているのではありません。自社株取得を含めて株主還元はとても大きな経営テーマですし、持続的に利益を上げて自己資本が充実し、株主への還元をしっかりやることができる。こういう会社の株は強いでしょうし、買うべき銘柄です。

 
 

奥深いですね。

 
 

投資は不労所得という人がいますが、とんでもない。相応の労力をかけないと成果は得られないのです。投資は頭の労働、心の労働、多少の肉体労働だと思っています。負けないように学びを続けましょう。

 
 

は~い。。。

 
 

なんですか! 元気出して!!

 
 

はい!

 

 

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