第47代米大統領にトランプ氏 株価が変動しそうな業界を探ってみた!
みなさん、こんにちは。 激戦が伝えられていた米大統領選ですが、2024年11月6日午後(日本時間)、共和党のドナルド・トランプ候補が第47代大統領に当選することが確実な情勢になりました。多くの日米のメディアが、民主党のカマラ・ハリス候補を破ったと報じています。
米大統領選は、アメリカ経済に大きな影響を与え、株式市場にも顕著な影響を及ぼすイベントです。特に、政策の方向性や政治的な不確実性が、特定の業界や企業の株価に変動をもたらします。今年の大統領選も例外ではなく、選挙結果によって注目すべき業界や銘柄が変わる可能性があります。
今回は、米大統領選によって株価が変動しそうな主な業界と具体的な銘柄について詳細に解説します。
目次
政策の変化に敏感なテクノロジーやエネルギー
1.テクノロジー業界
テクノロジー業界は、大統領選の影響を強く受けやすい業界の一つです。特に、選挙後の規制強化や税制改革、貿易政策などが大きな影響を与えます。
主要銘柄: Apple(AAPL)、 Microsoft(MSFT)、 Alphabet(GOOGL)
トランプ大統領の“再登板”で共和党政権になることで、規制緩和が進む可能性が高まりました。それにより、テクノロジー企業の活動がしやすくなる可能性もまた高まります。 また、AI(人工知能)やクラウドコンピューティング、5Gなどの技術革新への投資が、選挙結果によって影響を受けることもあります。
半面、可能性は薄まったといえそうですが、民主党が掲げていた政策は、テクノロジー企業に対する反トラスト法の強化が予想されていましたから、大企業のM&A(企業の買収・合併)が制限される可能性がありました。
また、地球温暖化対策に後ろ向きなトランプ大統領ですが、環境規制は避けては通れない世界的な課題であることは間違いありません。トランプ政権の“出方”に注目が集まりますが、環境規制を強化するなると、再生可能エネルギー分野に対するテクノロジー企業の投資が加速するかもしれません。
2. エネルギー業界
エネルギー業界は米大統領選において、とても敏感な業界です。特に、環境規制やエネルギー政策が業界全体に影響を及ぼします。
主要銘柄: ExxonMobil(XOM)、Chevron(CVX)、NextEra Energy(NEE)
共和党のトランプ政権は、エネルギーの自給自足を推進し、石油や天然ガスの生産を支援する政策が取られることが予想されます。このため、伝統的なエネルギー企業が利益を得やすく、特にExxonMobilやChevronなどの大手石油会社が恩恵を受ける可能性があります。
一方、民主党政権は地球温暖化対策を強化。再生可能エネルギーへの移行を促進する政策を打ち出しています。そのため、化石燃料を中心とする、例えばExxonMobilやChevronのような企業には“逆風”になります。
再生可能エネルギー分野に強みを持つ、例えばNextEra Energyのような企業には追い風ですが、トランプ大統領がどう動くのか、「不透明」と言わざるを得ません。
トランプ新大統領の製薬業界への規制緩和策に注目
3. ヘルスケア業界
ヘルスケア業界は、米大統領選の結果によって規制や医療保険政策が大きく変わるため、投資家の注目を集めます。特に、医療保険の改革や薬価の引き下げ、医療制度の拡充が業界の株価に影響を与えることがあります。
主要銘柄:UnitedHealth Group(UNH)、Pfizer(PFE)、AbbVie(ABBV)
共和党のトランプ政権では、製薬業界への規制緩和策が進む可能性があります。薬価の引き下げ圧力が弱まり、PfizerやAbbVieには比較的好ましい環境が続くかもしれません。
また、「オバマケア」(Affordable Care Act)の撤廃を打ち出しています。これは、保険業界にはプラスの影響を与えることが考えられます。保険会社にとっては好材料で、特にUnitedHealth Groupなどの大手保険会社は保険加入者の増加による利益の拡大が期待されます。
民主党のオバマ政権時に始まった「オバマケア」ですが、カマラ・ハリス氏は“強化”の方向でした。また、ハリス氏は薬価の引き下げを目指す政策を打ち出していました。製薬企業に対する圧力が強まります。
4.防衛産業
ロシアのウクライナ侵攻にはじまり、中東情勢、北朝鮮問題、東アジアでの中国の台頭、台湾有事と、世界中で戦争の足音が高まっています。その中にあって、“世界の警察官”たる米国の役割は重要出ることは言うまでもありません。
そんな米国の防衛産業は、米大統領選挙の結果によって大きな影響を受けます。特に、軍事費の増減や外交政策の方向性が企業に影響を与えます。
主要銘柄:Lockheed Martin(LMT)、Northrop Grumman(NOC)、Boeing(BA)
共和党政権では防衛予算の増加が期待されるため、Lockheed MartinやNorthrop Grummanなどの企業にとっては好材料となります。そのため、投資家は防衛関連銘柄に対して前向きになるかもしれません。
ウクライナ戦争や中東情勢を念頭に、トランプ新大統領は「戦争は終わらせる」としています。”米国”ファースト“を掲げるトランプ新大統領がどう決着をつけていくのか、目が離せません。
ちなみに、民主党政権下では過剰な軍事支出を制限する、軍事予算の見直しを考えていました。
まとめ
米大統領選はさまざまな業界に異なる影響を与えます。テクノロジー業界、エネルギー業界などは政策の変化に敏感で、選挙結果がこれらの銘柄の株価に大きな変動をもたらす可能性があります。
したがって、投資家は選挙後の政策動向を注視し、しっかりとリスクを管理しながら投資戦略を練ることが重要になります。
では、また!
プロフィール
ペガゾ
大学で金融政策を専攻。株式投資についても、個人でファンダメンタルズ分析をメインに行っていた。現在は金融業界で働いており、個別株は投資できないものの、引き続き情報収集を行っている。
「日本でも、個人投資家がもっと増えればいい」と思っている。