人気の使い道は「貯金」「プレゼント」… 初任給アンケート 「投資・資産運用」はわずか1%

社会人になって初めてのお給料。新しいスタートへの第一歩の象徴といえ、その記念すべき初任給の使い道を迷う人は少なくない。

そうしたなか、初めての給料日を前に、クレジットカードや、さまざまな金融情報を提供するSOKKIN(東京都新宿区)が、初任給の使い道などを、90人の新社会人に聞いたところ、人気の使い道は「貯金」「プレゼント」「趣味」が上位を占めたことがわかった。なかには、「両親に何か贈ればよかった」と後悔する声もあった。2024年3月29日の発表。

 

初任給「15万円以上~20万円未満」が半数占める

調査では、まず初任給について聞いた。「初任給はいくらでしたか?」(n=90)との問いに、最も多かったのは「15万円以上〜20万円未満」と答えた人で、全体の51%を占めた。次いで、「20万円以上〜25万円未満」が23%、「15万円未満」が22%で続いた。「25万円以上〜30万円未満」と答えた人は1%、「わからない・答えたくない」は2%だった。

次に「初任給は何に使いましたか?(意識して使ったものを最大3つ複数選択してください) 」という問いに、最も多かったのは「貯金」で、20%の人がそう答えた。次いで、「プレゼント」の19%、「趣味」が16%で続いた。

「新生活に必要なもの(家電・生活作家など)」に使った人は9.8%、「友人などとの交際費・飲食代」は8.7%、「仕事で使いもの(パソコン・スーツなど)」が5.5%だった。「投資・資産運用」と答えた人は、わずか1%だった。【図1参照】

図1 初任給の使い道、最多は「貯金」「投資・資産運用」はわずか1%(SOKKIN調べ)

図1 初任給の使い道、最多は「貯金」「投資・資産運用」はわずか1%(SOKKIN調べ)

 

初任給の使い道について、「具体的エピソードなどがあれば、教えてください」との問いに、

「貯金」を選んだ人からは、

「卒業旅行で貯金が少なくなっていたので初任給は貯金に回した」

「いきなりこんなに入るの?! と。数字がもっと増えたらうれしいと思い、貯金しはじめた」

と答えた。

また、「プレゼント」を選んだ人は、

「デパートの美味しいケーキを買って帰ると、家族が喜んでくれた」

「ふつうなら絶対に食べれないような、特大サイズの鰻を取り寄せて両親と食べた」

「祖父母へオーダーメイドのお酒をプレゼントし、今でも瓶を飾ってくれている」

「両親に温泉旅行をプレゼントしたら、今まで見たことないくらいとても喜んでくれた」

「両親を焼肉に連れていったら、『一生の思い出だよ、ありがとう』と言われた」

との声があった。

「趣味」を選んだ人は、

「学生時代には買えなかった、欲しかったコスメや洋服を購入した」

「欲しかった“推し”のフィギュアを買った」

などと満足げなようすがうかがえる。

「新生活に必要なもの(家電・生活雑貨など)」を選んだ人は、

「奨学金の返済に、家電やスーツなどの必要なものを買うと初任給がなくなってしまった」

「一人暮らしを始めたばかりで生活用品を集めていたらご褒美など買う余裕がなくなってしまった」

「引っ越しをしたばかりだったので、電子レンジやトースターなど、まだ買えていなかった家電を購入した」

「友人などとの交際費・飲食費」を選んだ人からは、

「欲しかった洋服や飲み会代に費やした」

「初めてのまとまったお金だったので友達と好きに楽しく使った」

「同期数人と一緒に食事に行った。そこからさらに仲良くなれた」

「仕事で使うもの(パソコン・スーツなど)」を選んだ人は、

「営業に配属され、良いスーツが必要だと思いブランド品のスーツを購入した」

「職場がオフィスカジュアルなので、ふさわしい服を買った」

などのエピソードが寄せられた。

 

「特別なことに使おうという気にはならなかった」

初任給の使い道について、「特別なことはしなかった」という人は、

「初任給をもらった時がコロナ初年度だったため、外食などできず生活費や家賃の支払いにあてた」

「初任給だからといって特別なことに使おうという気にはならなかった」

「ふつうに家賃を払ったり、新生活に必要なものを買ったりしたらなくなった」

と、新生活の中で使い切ってしまったようすがうかがえる。

「ファッションアイテム(プライベート用)」を選んだ人は、

「今まで買えなかったような高い服を自分で稼いだお金で買えて、一人前になれた気がした」

「美容」を選んだ人は、

「以前から気になっていた美容施術を受けて肌がキレイになり、とてもうれしかった」

「医療脱毛を一括で支払った」

という。

「投資・資産運用」を選んだ人からは、

「当時、コロナ渦で株価が乱高下しており、株式に全額投資した」

と、かなり思い切ったようだ。

「その他」では、

仕事が忙しく、残業した帰りのタクシー代に消えることが多かった」

と答えた。

初任給を使って、今まで支えてくれた両親に感謝のプレゼントをしたというエピソードがやはり多く見られ、なかにはふだん買えないような高級品を贈ったという人は少なくなかった。

その一方で、一人暮らしで金銭的余裕がなく、「初任給だからといって特別なことに使おうという気にはならなかった。」と答得た人もいた。

 

また、調査では「初任給の使い道を振り返って、感想があれば教えてください。」という問いに、

「自分自身に使うよりも、誰かのためにお金を使うほうが満足感があって良かった」

「働いた自分へのご褒美に使うと、これからも仕事を頑張れる気力になった」

「初任給で購入したスーツを上司に褒められてうれしかった」

「初任給で両親へのプレゼントを買うのは心理的な面でも一つの区切りにすることができたので、プレゼントを贈って良かったと思っている」

など、満足している声が寄せられた一方で、

「特別なことはしなかったので、家族にプレゼントやご馳走をすれば良かったと思っている」

「家族を国内旅行に連れていくために奮発したが、その後の生活が少し苦しくなったので使いすぎたのを後悔した」

「NISAなど投資が流行っているので、勉強を兼ねて少額からでもやってみればよかった」

と後悔をにじませる声も少なからずあった。

「初任給が少なかったので、まったくお金が残らず不満にしか感じなかった」

「お金は大切なので、別に何もしなくていいと思う」

との声もあった。

 

初任給でいくら残った……

調査では、新卒当時の暮らし方についても聞いた(n=90)。それによると、「実家暮らし」と答えた人は44%、「一人暮らし」の人は43%だった。「同棲・ルームシェア」という人も10%ほどいた。「その他」は2%。

「初任給で生活に余裕はありましたか? 」という問いに、新卒当時、実家暮らしだった人をみると、最も多かったのは「あまり余裕はなかった」と答えた人で、43%だった。次いで、「多少の余裕はあった」と答えた人で28%。「まったく余裕がなかった」と答えた人は13%だった。【図2参照】

一方で、新卒当時一人暮らしだった人をみると、「あまり余裕はなかった」と答えた人が最も多く49%を占めた。次いで、「まったく余裕がなかった」という人が28%だった。【図2参照】

実家暮らしと一人暮らしを比べると、やはり一人暮らしのほうが家賃や光熱費などの負担が大きいため、生活に余裕がなかった人が多い傾向にあった。

 

図2 「実家暮らし」「一人暮らし」ともに、新卒当時「生活にあまり余裕はなかった」(SOKKIN調べ)

図2 「実家暮らし」「一人暮らし」ともに、新卒当時「生活にあまり余裕はなかった」(SOKKIN調べ)

図2 「実家暮らし」「一人暮らし」ともに、新卒当時「生活にあまり余裕はなかった」(SOKKIN調べ)

図2 「実家暮らし」「一人暮らし」ともに、新卒当時「生活にあまり余裕はなかった」(SOKKIN調べ)

さらに、「初任給で手元に残ったお金はいくら程度でしたか?」と聞いたところ、新卒当時実家暮らしだった人をみると、最も多かったのは「5万〜10万円未満」と答えた人で、25%。次いで、「1万〜3万円未満」が23%だった。【図3参照】

一方、「ほとんど残らなかった」と答えた人が20%で、3番目に多いという結果となった。

また、新卒当時一人暮らしだった人でみると、「ほとんど残らなかった」と答えた人が最も多く38%。次いで、「1万〜3万円未満」の18%、「5万〜10万円未満」が13%となった。【図3参照】

やはり、一人暮らしの新社会人は厳しいお金のやり繰りを余儀なくされているようだ。初任給の使い道に、回答者から「奮発して、その後の生活が少し苦しくなった」との声があったように、初任給も計画的な使い方が求められるようだ。

図3 「初任給で手元に残ったお金はいくら程度でしたか?」(SOKKIN調べ)

図3 「初任給で手元に残ったお金はいくら程度でしたか?」(SOKKIN調べ)

図3 「初任給で手元に残ったお金はいくら程度でしたか?」(SOKKIN調べ)

図3 「初任給で手元に残ったお金はいくら程度でしたか?」(SOKKIN調べ)

なお、調査は現在20代の社会人の人を対象に、2024年3月21日~24日にインターネットで実施した。サンプル数は90票。

 

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